THE STORIES OF FLY FISHING 1 「アイヌ漁師と柳の棍棒」の巻
アトランティックサーモンフィッシングの世界で誰もが知るレジェンドHugh Falkus、彼の名著の一つ“SPEYCASTING A NEW TECHNIUE” の中に何故かAINUの文字が唐突に出てきます。
スぺイキャスティングの教本にアイヌが登場?なんとも不思議な想いがありましたが、それは人類学者チャールトンS.クーン(アメリカ人1904~1981年)の著書The Hunting People(狩猟民族)の中に記された“アイヌ漁師と柳の棍棒”に関する一節でした。
それでは以下にその翻訳文に紹介します。
アイヌの漁師が鮭を釣り上げ、釣り針や銛をから外した時、魚はまだ元気だ。
気絶させるために、各人が柳の木でできた2フィートの棍棒を持ち、それで魚の頭を叩いた。
アイヌの創世神話によると、最初の人間の背骨は柳でできており、柳は最も高貴な木であると考えられていたからである。
他の木の棍棒や石で叩くと、翌年は魚が来なくなると信じられていた。
カールトン・S・クーン著『狩猟民族』(1971年)
鮭が戻らなくなってしまった今、にわかにアイヌ文化に興味が湧いてきました。